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【米国市況】株は小幅安、ハイテク決算とFOMC控え-一時147円93銭 - ブルームバーグ

30日の米国株市場では、S&P500種株価指数が小反落。通常取引終了後に発表されるマイクロソフトとアルファベットの決算をにらみ、前日終値を挟んで推移した。米連邦公開市場委員会(FOMC)声明の発表を翌日に控え、この日発表された複数の米経済指標も意識された。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4924.97 -2.96 -0.06%
ダウ工業株30種平均 38467.31 133.86 0.35%
ナスダック総合指数 15509.90 -118.14 -0.76%

  大手ハイテク銘柄の比重が高いナスダック100指数は0.7%安で終了。アップル株の下げが特に目立った。

  マイクロソフトとアルファベットの決算発表を受け、ナスダック100に連動する上場投資信託(ETF)は時間外で下落した。

マイクロソフト、売上高は市場予想上回る-クラウドの伸びに一部失望

  IGマーケッツのチーフ市場アナリスト、アレクサンドル・バラデス氏は「FOMCと米ハイテク決算発表が行われるこの間に全てが展開される」と指摘。「パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が3月利下げへの道を開くことを市場は待っているが、引き下げは4-6月(第2四半期)に実施するとのシグナルが送られる可能性が非常に高い」と述べた。

  この日発表された米指標では、昨年12月の求人件数が市場予想に反して増加し、3カ月ぶりの高水準となった。一方で離職者数は減少した。今週は労働市場の状況を測る指標が数多く発表される。

米求人件数、予想外に増加し3カ月ぶり高水準-離職者数は減少 (2)

  LPLファイナンシャルのチーフエコノミスト、ジェフリー・ローチ氏は「雇用市場が今後の米金融政策の鍵を握る」と指摘。「米金融当局は市場に利下げへの備えを促しているが、雇用市場が底堅く、紅海の通航混乱による影響が不確実なことから、金融当局への圧力は強まっている」と述べた。

  米民間調査機関のコンファレンスボードが発表した1月の米消費者信頼感指数は、2021年12月以来の高水準。インフレ見通しが落ち着く中、景気と労働市場に対する見方が一段と明るくなった。

米消費者信頼感指数、21年末以来の高水準-インフレ期待は低下 (2)

  LPLファイナンシャルのチーフ・グローバル・ストラテジスト、クインシー・クロスビー氏は「消費者信頼感は経済が堅調を維持するかどうかの鍵を握っている」とする一方、「米金融当局が主に懸念しているのは、消費者信頼感の高まりがインフレ再燃につながるかどうかだ」と指摘した。  

  JPモルガン・チェースのクオンツストラテジストは、米株市場は10大銘柄が支配的な状況で、インターネットバブルとの類似性がますます強まり、急落のリスクが高まっていると警告した。

JPモルガンのクオンツ警告-米株市場はドットコム的集中、急落も

  個別株ではこのほか、米宅配大手ユナイテッド・パーセル・サービス(UPS)が大幅安。2023年10-12月(第4四半期)決算で売上高がアナリストの予想を下回った。2024年通期の業績見通しも市場予想に届かなかった。

米宅配大手UPS、1万2000人削減を計画-10億ドルのコスト削減 (1)

国債

  米国債市場では、年限が短めの国債利回りが上昇。10、20、30年債の利回りは低下した。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.25% -6.3 -1.46%
米10年債利回り 4.03% -4.0 -0.99%
米2年債利回り 4.34% 1.9 0.43%
    米東部時間 16時44分

  米求人件数が市場予想を上回ったことを受け、利回り曲線がフラット化。金利スワップ市場では、3月の米利下げ確率が3分の1程度に低下した。

米3月利下げ予想確率、約3分の1に低下-堅調なJOLTS統計受け

  米財務省による四半期定例入札の公表とFOMC会合を翌日に控え、スティープ化を予想するポジションの巻き戻しが進んだ。これがフラット化をさらに強めることとなった。

外為

  ニューヨーク外国為替市場ではドル指数が小幅安。FOMCの政策発表を翌日に控えて方向感の出にくい展開だった。

  円はドルに対して小幅に下落。米求人件数と消費者信頼感指数が堅調な内容となったことを受け、一時1ドル=147円93銭まで売られる場面もあったが、その後は下げを縮小した。これらの指標発表前には147円10銭をつけていた。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1235.42 -0.82 -0.07%
ドル/円 ¥147.58 ¥0.08 0.05%
ユーロ/ドル $1.0847 $0.0014 0.13%
    米東部時間 16時44分

  ユーロは対ドルで小幅高。2023年10-12月(第4四半期)のユーロ圏域内総生産(GDP)は前期比変わらずで、リセッション(景気後退)を免れた。市場予想は0.1%減だった。イタリアとスペインの堅調な景気がドイツ経済の低迷を補った。

ユーロ圏、リセッション回避-23年10-12月はゼロ成長 (1)

原油

  ニューヨーク原油相場は反発し、終値で1バレル=78ドルに近づいた。活発なアルゴルリズム取引が価格を押し上げた。

  TDセキュリティーズの商品ストラテジスト、ダニエル・ガリ氏は「アルゴリズムに基づく積極的な買いの動き」が先物相場を支えているとしつつ、上昇維持には需給面での材料が必要だと指摘した。

  イランが支援する武装グループがヨルダン駐留米軍を攻撃して米兵3人が死亡した問題を巡り米軍が強い対応に出れば、原油相場を押し上げる可能性はあるが、現在のところ中東での衝突激化が原油供給に与える影響は最小限にとどまっている。

  オーストラリア・ニュージーランド銀行(ANZ)グループの商品シニアストラテジスト、ダニエル・ハインズ氏は「米国の対応が鍵になる」と指摘。「供給へのリスクに対する市場の見方はここ数日に確実に変化した」と述べた。

Oil Mirrors Broader Equity Market Moves

  原油先物は朝方、長期的な需要を巡る懸念が広がる中で下落する場面もあった。サウジアラビアの国営石油会社サウジアラムコは、石油生産能力を引き上げる計画を取りやめた。戦略の大転換で、将来の需要に対するサウジの見解に疑問を投げ掛ける動きだ。

  原油は月間では上昇となりそうだ。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で商船への攻撃を続けているため、市場は警戒を続けている。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物3月限は前日比1.04ドル(1.4%)高の1バレル=77.82ドルで終了。北海ブレント3月限は47セント上げて82.87ドル。

  金スポット相場は上げを縮める展開。労働市場に関する統計で市場の予想外に強いデータが示されたことが背景にある。市場は米利下げの開始時期について新たな手掛かりを得ようと、FOMC会合に注目している。

  昨年12月の米求人件数は市場予想に反して増加し、3カ月ぶりの高水準となった。統計発表後に米国債利回りとドルが上昇し、金は一時0.2%下落した。

  31日に終了するFOMC会合については、特に3月に利下げが開始されるのか否かについてのシグナルに注目が集まりそうだ。スワップ市場ではここ数週間、3月利下げに対する織り込みが大きく後退してきている。

  金スポット価格はニューヨーク時間午後4時15分現在、前日比2.92ドル(0.1%)上昇の1オンス=2036.15ドル。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は6.30ドル(0.3%)高の2050.90ドルで引けた。

原題: QQQ Drops in Late Hours After Big-Tech Earnings: Markets Wrap(抜粋)

Stocks Flounder With Tech Earnings Test in Sight: Markets Wrap

Treasuries Mixed Before Refunding; Curve Bear Flattens on JOLTS

Dollar Trades Mixed After JOLTs-Fueled Boost: Inside G-10

Oil Rises Near $78 in Choppy Trade, Buoyed by Algorithmic Buying

Gold Erases Gains After Job Openings Data as Traders Await Fed

 

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