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FOMC、利上げ休止路線を堅持か-雇用統計は労働市場のたるみ示唆 - ブルームバーグ

5月の米雇用統計では非農業部門雇用者数の伸びが加速したものの、労働市場にはたるみの兆候が見られた。米連邦公開市場委員会(FOMC)は今月の会合で政策金利を据え置き、夏の間に再び引き上げを検討する公算が大きい。

  5月は非農業部門雇用者数が前月比33万9000人増。4月は29万4000人増(速報値25万3000人増)に上方修正された。一方で失業率は3.7%に上昇。平均時給は前年同月比4.3%増と伸びが鈍化した。

米雇用者数は予想上回る、賃金鈍化-強弱まちまちで利上げ休止か

  パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長や他の一部当局者は、今後のデータや見通しの変化を分析する時間をさらに確保した上で追加利上げの是非を判断すべきだと主張してきた。強弱入り交じる今回の雇用統計は、当局者らのそうした論拠を強めるかもしれない。

A Mixed US Jobs Report | Payrolls growth exceeds forecasts but jobless rate hits seven-month high

上段:非農業部門雇用者数、下段:失業率

出所:米労働統計局

  ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルキ氏は「FOMCが次回会合で政策金利を据え置くという当社の基本シナリオを維持する」と述べた。

  短期金融市場では7月末までの米利上げ確率が上昇。6月13、14日に開催されるFOMC会合での利上げ確率も高まったが、投資家はなお6月会合では政策金利引き上げを休止するとの見方に傾いている。雇用統計発表後、6月会合での利上げ織り込みは31%と、前日の24%から上昇した。

  6月の利上げ確率は今週、一時低下した。ジェファーソンFRB理事が5月31日、将来的な引き締めの可能性を排除するものではないが、利上げをいったん見送ることにより政策当局はデータを見極める時間を得られると述べたことが影響した。同理事はFRB副議長に指名されている。

ジェファーソンFRB理事、6月利上げ停止示唆-終了は意味せず

  サンタンデールUSキャピタル・マーケッツの米国担当チーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「6月会合での据え置きを引き続き予想している」と発言。「7月か9月、あるいはその両方の月で利上げを行うかどうかは、インフレ統計次第という面が大きい。しかし労働市場の堅調さが続いていることから、さらなる引き締めが必要との見方が強いのは確かだ」と語った。

  5月雇用統計では失業率が急上昇。前月からの上昇幅は2020年4月以来の大きさとなり、物価上昇圧力の弱まりを示唆した。

  金融当局は3月に相次いだ地銀の破綻が与信環境に与える影響にも懸念を示してきた。信用状況の引き締まりが融資減少と年内の経済成長鈍化につながり得るとの考えだ。過去40年で最速ペースで進めてきたこれまでの利上げの影響を見極める時間を確保したいという思いも当局者にはある。

  LHマイヤー/マネタリー・ポリシー・アナリティクスのエコノミスト、デレク・タン氏は6月会合について「この日の雇用統計を受けても、なお五分五分だ」と述べた。同社は今月に利上げがあると予想しており、「6月に引き上げなければ7月に利上げせざるを得ないだろう。FOMC指導部は休止に傾いているが、他の多くの当局者は強く異論を唱えている」と話した。

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原題: Fed Seen Sticking With Rate Pause as Wages Show Some Cooling(抜粋)

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