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米PCE価格指数の伸び鈍化実質消費は横ばい景気失速を示唆 - ブルームバーグ

5月の米個人消費支出(PCE)統計では、インフレが鈍化し、消費支出は実質ベースでほぼ横ばいにとどまった。米経済の主要なけん引役が勢いを幾分失い始めたことが示唆された。

キーポイント
  • PCE総合価格指数は前月比0.1%上昇-市場予想と一致
    • 前月は0.4%上昇
    • 前年同月比では3.8%上昇-予想に一致
      • 約2年ぶりの低い伸び
      • 4月は4.3%上昇
  • PCEコア価格指数(食品とエネルギーを除く)は前月比0.3%上昇-市場予想に一致
    • 前月は0.4%上昇
    • 前年同月比では4.6%上昇-市場予想4.7%上昇
      • 4月は4.7%上昇

  コア価格指数の前年同月比伸び率は2022年終盤以降、ほぼ同じ水準で推移している。

US Inflation Eases, Spending Stalls as Economy Loses Steam | Fed's preferred inflation gauge slowed in May from a year ago

上段:PCE総合価格指数とコア価格指数の推移(ともに前年同月比)、下段:実質PCE(前月比)

出所:経済分析局

  PCE価格指数は米金融当局が重視するインフレ指標で、その鈍化が示されたことは当局にとり歓迎すべきものだ。ブルームバーグの算出によれば、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数は前月比0.2%上昇と、マイナスとなった昨年7月以降で最低の伸び。前年同月比では4.5%上昇した。 

  PCEは前月比0.1%増加。市場予想は0.2%増だった。4月は0.6%増(速報値0.8%増)に下方修正された。 

  実質PCEはほぼ横ばい。4月は0.2%増(速報値0.5%増)に下方修正された。1月に急増した後、2月から5月にかけて実質PCEは基本的に足踏み状態が続いている。5月は財への支出が減少し、サービス支出は増えた。 

エコノミストの見方

  ハイ・フリークエンシー・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、ルビーラ・ファルキ氏は4-6月(第2四半期)に家計支出が減速することを今回の統計が示唆していると指摘。

  「消費の伸び鈍化は米金融当局にとっては歓迎すべきことだろう」とした上で、「金融政策のごく短期の軌道がこれで変わる公算は小さい。当局者は政策金利を一段と引き上げ、より景気抑制的なスタンスにする必要があるとの見解にコミットしている」とリポートに記した。

  ブルームバーグ・エコノミクスのスチュアート・ポール氏、イライザ・ウィンガー氏らは「5月の個人所得・支出データは、所得の伸びとインフレの関係が徐々に緩んでいることを示す。最新のドット・プロット(金利予測分布図)で示唆されたように、さらに50ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の米利上げが必要かどうかは疑わしい」と分析した。

  実質可処分所得は前月比0.3%増。4月は減少していた。インフレ調整前では0.4%増(市場予想0.3%増)。賃金・給与が0.5%増と、今年1月以来の大きな伸びとなった。

  貯蓄率は4.6%で、22年1月以来の高水準となった3月と同じ水準。消費者が支出への慎重姿勢を強めていることが示唆される。

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題: US Inflation Cools, Spending Stagnates as Economy Loses Steam(抜粋)、US May Personal Spending Rose 0.1% M/m; Est. 0.2%(抜粋)

(統計の詳細やエコノミストの見方を追加して更新します)

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