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経済・物価下振れへの備え維持、YCC修正は出口でない―安達日銀委員 - ブルームバーグ

日本銀行の安達誠司審議委員は29日、2%の物価安定目標の実現に向けて金融政策運営は経済・物価の下振れリスクへの備えを維持しているとし、「出口政策の議論を行う段階にはない」との見解を示した。愛媛県金融経済懇談会で講演した。

  物価目標の持続的・安定的な実現には、消費者物価が単に2%になれば良いわけではなく、「賃金と物価の好循環という状況を明確に確認することが重要だ」と指摘。現在は好循環の芽が出始めているが十分ではないとし、金融政策は「経済・物価の下振れリスクに対する金融政策的な備えは従来通りに維持している」と語った。

  日銀は10月の金融政策決定会合で長期金利の1%超えを容認する一段のイールドカーブコントロール(YCC)の運用柔軟化を決めた。2023-25年度の消費者物価見通しも引き上げた。24年度まで3年連続で2%を超える姿となり、市場には早期の政策正常化の観測も浮上しているが、安達委員は慎重な姿勢を示した。

  YCC柔軟化は政策正常化を意識した対応との見方があることに対しては、「出口政策への地ならしを行っているのではない」と強調。むしろ、物価目標達成に向けて「緩和的な金融政策を継続していくための措置だ」と説明した。

  その上で、市場参加者の金融政策や経済・物価の見通しなどを反映する長期金利は「金融政策を行う上で、非常に高い情報的価値を有する指標」だとし、YCCの柔軟化によって金利形成の一定の自由度を確保することで、その価値を利用する観点からも意味があったとの見解を示した。

  一方で、YCCによる金利抑制効果が必要でなくなったわけではないとも指摘。1%を大きく上回る長期金利は、「実質金利の上昇を通じて、金融緩和の効果を低下させ、経済活動を大きく冷え込ませることで賃金と物価の好循環への移行を妨げかねない」と語った。

他の発言

  • 現在の経済・物価情勢では、粘り強く金融緩和を継続する必要がある
  • 足元では上振れリスクへの配慮も必要にーリスクマネジメント
  • 消費者物価、足元までの実勢みる限り上振れリスクが高い

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(発言の詳細を追加して更新しました)

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