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【米国市況】株続落、CPI発表控えリスク回避-エネルギー価格上昇 - ブルームバーグ

9日の米国株式市場は続落。大型ハイテク株が売られたほか、エネルギー価格の上昇が相場の重しとなった。米金融政策の先行きに関する手がかりを得ようと、市場の注目は10日発表の7月消費者物価指数(CPI)に集まっている。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4467.71 -31.67 -0.70%
ダウ工業株30種平均 35123.36 -191.13 -0.54%
ナスダック総合指数 13722.02 -162.30 -1.17%

  S&P500種株価指数は下げをほぼ取り戻す場面もあったが、この日の安値付近で引けた。ナスダック100指数は約1%安。人工知能(AI)を巡る熱狂で今年株価が3倍余りに値上がりしている エヌビディアは約5%下落。テスラ、アップル、アマゾン・ドット・コムも軒並み下げた。原油が9カ月ぶりの水準に上昇したほか、 欧州天然ガス先物が28%高騰したことで、物価上昇圧力への懸念が強まった。

  ネーションワイドの投資調査責任者マーク・ハケット氏は「市場は値固めに陥りやすい」と指摘。「これは季節的に弱含む8-9月には珍しくない」ものの、経済データや企業利益の力強さは停滞脱却後の相場上昇を支えるとの考えを示した。

  7月のCPIは前年同月比で3.3%上昇の予想。実際にそうなれば、2022年6月以来の加速となる。食品とエネルギーを除いたコア指数は4.7%上昇に若干鈍化の見込み。

  22Vリサーチが実施した調査では、CPI統計に対する「リスクオン」の予想はここ数カ月の統計と比較すると低下。投資家は「リスクオフ」ではないが、このところ良好な内容が続いたこともあり、態度を決めかねているという。7月の雇用統計で賃金データが根強い伸びを示した点も注目されている可能性が高い、と22Vリサーチは指摘した。

  シティ・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏によると、CPIデータが上振れても、製造業の低迷や雇用市場に減速の兆しが出ていることを踏まえると、米金融当局は政策が十分に景気抑制的だと判断する可能性が高い。そのため多少の上振れは大きな問題にならないという。

  ラザクザダ氏はその上で、今年の米国株式市場は足元で弱含むまでゴルディロックス的な見通しに支えられてきたと指摘。個人消費の健全性やセンチメントは堅調なままだが、金融当局による追加利上げを後押しするほどでもなく、かつリセッション(景気後退)リスクを高めるほどでもない兆候を市場は探っており、そのちょうど中間あたりが株式市場の追い風になりそうだと述べた。

国債

  期間短めの国債は原油先物の値上がりを嫌気してアンダーパフォームする一方、期間長めの国債は10年債入札の結果に支えられた。今週実施された入札は3年債、10年債ともに需要が堅調だった。30年債入札は10日、7月のCPIデータ発表後に実施される。 

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.17% -3.4 -0.80%
米10年債利回り 4.01% -1.0 -0.25%
米2年債利回り 4.81% 5.9 1.24%
    米東部時間 16時52分

  2年債・10年債の利回り格差は入札後に約6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)フラット化した。380億ドル規模の10年債入札では、最高落札利回りが3.999%と昨年11月以来の高水準となり、入札前取引(WI)水準の3.998%をやや上回った。ただ引き続き4%未満と需要が底堅いことを示した。間接入札者の引き合いが強かった。

為替

  10日のCPI発表を控えて様子見ムードが強まる中、ブルームバーグ・ドル・スポット指数は軟調に推移。中国の消費者物価と生産者物価が7月にいずれも前年同月比で低下したのを受けて景気刺激策への観測が高まり、ドル指数は一時は0.2%低下。その後は下げを縮めている。

中国のCPIとPPI、7月は共に下落-支援策強化の必要性 (3)

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1230.89 -0.16 -0.01%
ドル/円 ¥143.71 ¥0.33 0.23%
ユーロ/ドル $1.0973 $0.0017 0.16%
    米東部時間 16時52分

  アジアを拠点とする為替トレーダーによると、中国の国有銀行はドルを売っているもよう。

  ナットウェスト・マーケッツのストラテジストは「中国当局は景気失速を受けて年内に包括的な景気浮揚策の実施に着手する可能性が高い」と指摘。そうなればドル安・人民元高の方向に振れるかもしれないと指摘した。

  ユーロはドルに対して3日ぶり反発。背景には、イタリア政府が銀行の「超過利潤」に課す新税の一部を 撤回したことがある。

  円は対ドルで下落し、143円台後半で推移した。

原油

  ニューヨーク原油先物相場は続伸し、ほぼ9カ月ぶりの高値を付けた。ロシアとウクライナの戦闘がエスカレートする可能性があり、すでに逼迫(ひっぱく)している原油市場への供給を妨げる恐れがあると懸念された。

  米エネルギー情報局(EIA)の週間統計では原油在庫が約500万バレル増加したものの、トレーダーらは燃料在庫が3カ月ぶりの大幅減となったことを意識した。

  UBSグループのアナリスト、ジョバンニ・シュトーノボ氏は「石油製品の在庫水準が低いため、需要懸念の筋書きはこの日のテーマではない」と指摘。「原油を動かしているのは、むしろ供給逼迫のシナリオだ」と述べた。さらに、原油は4月の高値を上抜けたことから、テクニカル要因にも支えられていると付け加えた。

Shrinking US Crude Stockpiles | Inventories have edged lower since mid-March

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物9月限は、前日比1.48ドル(1.8%)高い1バレル=84.40ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.38ドル(1.6%)上げて87.55ドル。

  ニューヨーク金相場は続落。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の先物12月限は前日比9.30ドル(0.5%)安の1オンス=1950.60ドルで終了した。

  オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「金は米CPI発表まで上下に振れる展開になりそうだ」と指摘。「デフレ圧力を示唆する中国の統計による追い風はそれほど長続きしていないように見受けられる。中国の数字は、インフレは目標に向かって徐々に下がるという米金融当局のスタンスを後押しするはずだ」と述べた。

Gold Wavers as Traders Await Key US Inflation Data | The metal has been hovering around $1,950 in recent weeks

 

 

原題: Stock Traders Shun Risk in Run-Up to Key CPI Test: Markets Wrap

Traders Shun Risk in Run-Up to Key Inflation Data: Markets Wrap

USTs Flatter as Front-End Drops, Long-End Supported by 10Y Sale

US 10-Year Auction Barely Misses 4%, Gets Strong Indirect Bid

Dollar Slips Ahead of Key CPI Data; Yuan Supported: Inside G-10

Oil Hits High for the Year as Supply Risks Grow in Tight Market

Gold Fluctuates as Investors Await Key US Inflation Report(抜粋)

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