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【米国市況】株は終盤に売られ続落、国債利回り低下-一時141円55銭 - ブルームバーグ

4日の米株式相場は続落。S&P500種株価指数は日中おおむねプラス圏で推移していたが、引けにかけて下落に転じた。米国債は上昇(利回り低下)した。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4478.03 -23.86 -0.53%
ダウ工業株30種平均 35065.62 -150.27 -0.43%
ナスダック総合指数 13909.24 -50.47 -0.36%

  S&P500種は一時、1%近く上昇する場面もあった。 アップルは前日に発表した業績見通しが失望を誘う内容だったことを受け、時価総額が3兆ドル(約426兆円)を割り込んだ。終値は4.8%安。テスラやメタ・プラットフォームズも下げた。一方、 アマゾン・ドット・コムは7-9月(第3四半期)の売上高見通しが市場予想を上回ったことを受け、8.3%高で引けた。

  イートロの投資アナリスト、キャリー・コックス氏は「市場のモメンタムに配慮しつつ慎重姿勢を維持するに越したことはない」と述べた。

  この日発表された7月の米雇用統計は、非農業部門雇用者数の伸びが市場予想を下回った一方、平均時給は予想を上回る伸びで失業率は低下した。

米賃金は予想より伸び、失業率低下-雇用統計は強い労働市場映す (3)

  金利スワップ市場の動向によると、年末までに0.25ポイントの追加利上げが行われる確率は40%。約10ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の利上げを織り込んでいる。2024年末まででは計125bp以上の利下げが織り込まれている。

  TDセキュリティーズの米国担当チーフ・マクロ・ストラテジスト、オスカー・ムニョス氏は「この日の雇用統計は9月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げ見送りの決定がなされると明確に示すものではない。しかし米金融当局者の大半は、統計の詳細の大部分について好材料と判断するはずだ。われわれはFOMCが9月に利上げを休止し、7月の利上げが今回の引き締めサイクルの最後になる公算が大きいと引き続き予想している」と述べた。

7月米雇用統計、FRBに9月行動迫る内容ない-市場関係者の見方 (1)

国債

  米国債相場は、中期債を中心に大きく上昇(利回り低下)。30年債は中期債を引き続きアンダーパフォームした。3年債、10年債、30年債の入札を来週に控え、雇用統計よりも需給やポジショニングが利回り曲線に影響を与えた。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 4.20% -9.0 -2.10%
米10年債利回り 4.04% -13.7 -3.29%
米2年債利回り 4.77% -11.5 -2.35%
    米東部時間 16時47分

  ナットウエスト・マーケッツの米金利ストラテジスト、ジャン・ネブルジ氏は雇用統計について、米金融政策に関する当社の見通しを「大きく変えるものではなかった」と発言。年限の短い国債の利回りが低下するとし、5年物と30年物の利回り差が一段とスティープ化することを見込む取引を選好すると述べた。

  5年債と30年債の利回り差はこの日、一段と拡大。10年債利回りは一時14bpほど低下した。

外為

  外国為替市場ではドルが主要10通貨のほぼ全てに対して下落。アトランタ連銀のボスティック総裁とシカゴ連銀のグールズビー総裁が、雇用の伸び減速は労働市場の均衡が改善しつつあることを示唆していると指摘。金利を高い水準でどれだけ長く維持するべきか考えることが、近く必要になるかもしれないと論じた。

FRB当局者2人、労働市場は減速-高金利維持の期間に議論シフトを

  円は対ドルで上昇し、一時141円55銭を付けた。その後は141円台後半での取引。ユーロも対ドルで上昇した。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1226.06 -4.06 -0.33%
ドル/円 ¥141.76 -¥0.82 -0.58%
ユーロ/ドル $1.1009 $0.0060 0.55%
    米東部時間 16時48分

  ブラウン・ブラザーズ・ハリマンの通貨戦略グローバル責任者、ウィン・シン氏は7月の雇用統計について、「タカ派かハト派かにかかわらず、米金融当局者の誰もが懸念すべき面がある。焦点は来週の米消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)に移る」と述べた。

  クレディ・アグリコルCIBのG10為替戦略責任者、バレンティン・マリノフ氏は「7月にも同様に強弱入り交じるデータが発表された。市場はそれをソフトランディング・シナリオを固めるものであり、それゆえドルには弱材料だと受け取った」と指摘。「市場関係者はドルを売り、リスク資産を買いたいと思うかもしれないが、7月にそうだったように私はそれは間違いになると考える」と述べた。

  オーストラリア・ドルは対米ドルで上昇。豪準備銀行(中央銀行)が経済成長率見通しをやや下方修正するとともに、インフレ率が2025年末までに目標の2-3%のレンジ内に戻るとの見通しを明らかにし、金利高止まりが長期化することを示唆したことが背景。

豪中銀、インフレ率25年末までに目標内に-成長見通し若干下方修正

原油

  ニューヨーク原油は続伸。週間では6週連続で値上がりし、約1年ぶりの長期上昇局面となった。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国で構成される「OPECプラス」の主導的立場にあるサウジアラビアとロシアが、減産を1カ月延長すると表明。米国内では原油在庫が過去最大幅の減少となった。

サウジ、自主減産さらに1カ月延長-ロシアも原油輸出削減を継続 (1)

  ウクライナでの戦争も市場の注目を集めた。カスピ海パイプライン・コンソーシアム(CPC)によれば、黒海に面するロシアの ノボロシースク港はウクライナのドローン攻撃を受けて閉鎖。係留タンカーからの石油積み出しは継続され、港は数時間後に操業を再開したという。

WTI Set for Longest String of Weekly Gains Since June 2022 | US oil on track for sixth week of gains as crude markets tighten

WTI週間騰落

出所:Nymex

  サウジやロシアなどの減産が影響し、ウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物は年初来プラス圏に押し上げられた。OPECプラスの合同閣僚監視委員会(JMMC)は4日のオンライン会合で、供給政策に変更を加えないよう勧告した。米エネルギー情報局(EIA)が今週発表した週間在庫統計では、過去最大規模となる1700万バレル強が原油在庫から取り崩されたことが明らかになり、需給がタイトにになりつつある兆候がまた増えた。

  ゴールドマン・サックス・グループは7月の世界石油市場では需要が過去最高を記録し、大幅な供給不足に転じたと指摘した。ANZグループ・ホールディングスは供給削減で需給がタイト化しているとして、ブレント原油は年末までに1バレル=100ドルに上昇する余地があると述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のWTI先物9月限は、前日比1.27ドル(1.6%)高い1バレル=82.82ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント10月限は1.10ドル上昇の86.24ドル。

  ニューヨーク金相場は反発。強弱混在の米雇用統計を受けてドルと米国債利回りが低下したことが背景。スワップ市場が織り込む年内の追加利上げ確率は小幅に低下した。

  米アトランタ連銀のボスティック総裁は、米雇用の伸びは秩序だった形で減速しているとし、インフレ抑制に向けた一段の利上げは必要ないとの考えを示した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の先物12月限は前日比7.30ドル(0.4%)高い1オンス=1976.10ドルで終了。ニューヨーク時間午後1時48分現在のスポット価格は、0.4%高の1941.61ドル。

原題: S&P 500 Wipes Out Almost 1% Gain; Bond Yields Drop: Markets Wrap(抜粋)

Treasuries Surge as Payrolls Pass, Long-End Steepening Persists(抜粋)

Bond Rally Spurred by Jobs Data Refuels Curve-Steepening Trend(抜粋)

Dollar Drops Against Key Peers After US Jobs Data: Inside G-10(抜粋)

Oil Posts Sixth Weekly Gain After Saudis, Russia Extend Cuts(抜粋)

Gold Climbs With Softer Dollar as Traders Assess Mixed Jobs Data(抜粋)

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