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日本人は国債の投機で誰が損するかわかってない - 東洋経済オンライン

日本銀行本店 東京都中央区日本橋

国債市場での歪みが無視できないほどに広がっている(撮影:尾形文繁)

日銀の金利抑制策に対して、海外のファンドが投機を仕掛けている。日銀が金利上限を引き上げると、ファンドは巨額の利益を得る。これは、究極的には日本国民が負担するものだ。金利抑制のためにこうした負担を負うのは、不合理なことではなかろうか?

昨今の経済現象を鮮やかに斬り、矛盾を指摘し、人々が信じて疑わない「通説」を粉砕する──。野口悠紀雄氏による連載第86回。

日本国債市場混乱、海外ファンドの売り投機

日本銀行は、1月18日の政策決定会合で、長期金利の上限を0.5%のままで据え置いた。

これに先立ち、国債市場での歪みが無視できないほどに広がり、債券市場での資金調達に支障が生じていた。このため、長期金利の上限を引き上げるのではないかという観測が強かった。

今回引き上げを見送ったことによって、こうした歪みが修正されずに残ることになった。

この背景には、金利上昇を見込む海外ヘッジファンドなどによる投機的な取引がある。

これまでの推移を振り返ると、2022年6月にも同じような投機攻撃があり、日本の国債市場が混乱した。このとき日銀は金利上限を守り抜いたが、結局のところ、2022年12月に上限引き上げに追い込まれた。

2022年12月の政策変更によって、海外ファンドは巨額の利益を得たと考えられる。今回は政策変更がなかったので、ファンドが利益を上げることにはならなかった。

ただ、これで戦いが終わりになったわけではない。今後もこうした投機が行われる可能性は強く、とりわけ今年3月には、もっと強い投機が起こる危険がある。日本の資金調達市場は、大きな問題を抱え続けているのだ。

なぜこうした投機が起きるのか? それに対して金利抑制を続け、そのために大量の国債を日銀が購入し続けるのは、日本のためになることか?

以下では、こうした問題を考えることとしたい。

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