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【米国市況】株は11月以来の大幅高、賃金の伸び鈍化-ドル132円付近 - ブルームバーグ

6日の米株式相場は反発。約1カ月ぶりの大幅高となった。12月の雇用統計で賃金の伸び減速が示されたことから、米金融当局がインフレ対応の強化を迫られることはないとの観測が広がった。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 3895.08 86.98 2.3%
ダウ工業株30種平均 33630.61 700.53 2.1%
ナスダック総合指数 10569.29 264.05 2.6%

  S&P500種株価指数は昨年11月以来の大幅高となり、週間ベースでは1.5%上昇。ハイテク銘柄中心のナスダック100指数は同0.9%値上がり。両指数ともに週間で5週ぶりの上昇となった。

米雇用統計、12月は平均時給が鈍化-雇用22.3万人増、失業率低下 (2)

  FTNファイナンシャルのチーフエコノミスト、クリス・ ロウ氏は「失業率が53年ぶり低水準となったことが真の問題で、米金融当局が労働市場のひっ迫解消に向けて2022年は全く進展しなかったことを示唆している」と指摘。「しかし、平均時給の伸びが11月分で下方修正された上、12月は予想を下回ったため、連邦公開市場委員会(FOMC)は時間稼ぎができる」と述べた。

  FBBキャピタル・パートナーズの調査ディレクター、マイク・ベイリー氏は「これまでと違って、良いニュースは良いニュースのようだ。強い雇用の数字は時として悪いニュースとなるが、この日は楽観が広がっている。賃金の伸び鈍化はパウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長のさらなる引き締め計画に冷や水を浴びせている」と話した。

FRB当局者、利上げ継続の必要性を相次ぎ強調-物価圧力緩和でも

米国債

  米国債は上昇。特に短期債利回りが急低下し、金融政策に敏感な2年債利回りは一時21ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げた。昨年12月の米ISM非製造業総合景況指数が市場予想以上に低下し、縮小圏に陥ったことも材料になった。同年債利回りは週間では昨年11月以来の大幅な下げ。

米ISM非製造業指数、予想外の縮小圏-20年4月以来の大幅低下 (2)

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 3.69% -10.84 -2.9%
米10年債利回り 3.55% -16.38 -4.4%
米2年債利回り 4.25% -21.02 -4.7%
    米東部時間 16時55分

  BMOキャピタル・マーケッツの米金利戦略責任者イアン・リンジェン氏は、次回会合での25bpあるいは50bpの利上げ幅を巡る議論は「来週の米消費者物価指数(CPI)の数字次第になってくる」とリポートで分析した。

米債券市場の利上げ観測後退、2月は小幅な引き締めとの見方に傾斜

外為

  外国為替市場ではドル指数が低下し、3週間ぶりの大幅安となった。雇用統計で賃金の伸びが予想以上に鈍化し、ISM非製造業指数も弱い内容となったことから、米利上げペースがさらに減速するとの見方が強まった。

  ドルは対主要10通貨で全面安。対円では一時1.1%安の132円ちょうどを付けた。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1245.12 -13.13 -1.0%
ドル/円 ¥132.14 -¥1.27 -1.0%
ユーロ/ドル $1.0644 $1.22 1.2%
    米東部時間 16時55分

  ジェイ・ブライソン氏率いるウェルズ・ファーゴのエコノミストは「米経済成長は2022年10-12月(第4四半期)にしっかりとプラス圏を維持した。高インフレや金融引き締めの遅行効果が表れる中、当社では23年半ば以降に成長が緩やかに縮小するとの基本予測を維持している」と6日のリポートに記した。

  キャピタル・エコノミクスの米国担当シニアエコノミスト、アンドルー・ハンター氏は「米雇用統計は米金融当局にとって強弱まちまちで、今後数会合は恐らく利上げを続けるだろう。しかし、労働市場状況の軟化は賃金の伸びを早期に一段と鈍化させると当社では引き続き見込んでいる。これは既に進行しているコアインフレの下降トレンドを後押しする見通しだ」と6日のリポートで分析した。

原油

  ニューヨーク原油相場は小幅に続伸した。一連の米経済指標の発表を受け、労働市場は底堅いが利上げペース減速の余地はあるとの見方が広がり、ドルが下落したことが背景。

  オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「労働市場とサービス業に関する統計の発表後に原油相場は上昇した。これらの統計を受け、米金融当局は引き締めサイクル終了にかなり近づいているとの見方が強まったためだ」と指摘。「米国の過剰引き締めリスクが取り除かれれば、原油の需要見通しは改善し続けるはずだ」と述べた。

  原油相場は週間ベースでは8.1%下落と、1カ月ぶりの大幅安。 サウジアラビアがアジアと欧州向けの原油価格を引き下げ、短期的な需要見通しを懸念している様子が示唆された。中国が新型コロナウイルス感染拡大の抑制に手間取っていることも相場の重しとなった。 

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物2月限は、10セント(0.1%)高の1バレル=73.77ドルで終了。ロンドンICEの北海ブレント3月限は12セント下げて、78.57ドルで終了した。

  ニューヨーク金相場は反発。雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回り、インフレ圧力が幾分和らいだことが示唆された。同統計発表後のドル安も金相場を支えた。

  MKSパンプの金属戦略責任者、ニッキー・シールズ氏は「賃金の伸び鈍化は恐らく、インフレ重視の投資モデルを作動させるのに十分で、金相場は条件反射的に上昇した」と指摘。「雇用統計は昨年11月初旬以降の強気あるいは押し目買いトレンドを巻き戻すほど『悪く』はなかった」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物2月限は29.10ドル(1.6%)上昇し、1オンス=1869.70ドルで終了した。

原題: Stocks Rise Most Since November; Treasuries Jump: Markets Wrap(抜粋)

Traders Slash Fed Bets After Data; Key Yield Inversion Deepens(抜粋)

Dollar Dips as Jobs Data Give Hope for Smaller Hike: Inside G-10(抜粋)

Oil Trims Weekly Loss as US Jobs Report Tames Dollar Strength(抜粋)

Oil Posts Largest Weekly Loss in a Month as Demand Fears Linger(抜粋)

Gold Climbs After US Jobs Data Comes in Near Expectations(抜粋)

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