Search

「受け取りは1回で!」 再配達減へ対策急ぐ―迫る物流24年問題 - 時事通信ニュース

2023年05月06日07時26分

【図解】宅配便個数と再配達率の推移

【図解】宅配便個数と再配達率の推移

  • ヤマト運輸が合弁会社を通じて展開する宅配ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」(同社提供)

 来年4月からトラック運転手の時間外労働への規制が強化され、物流停滞の恐れがある「2024年問題」が迫る中、受取人不在による再配達を削減するため官民を挙げて対策を急いでいる。政府は「受け取りは1回で!」と消費者に呼び掛けるキャンペーンを展開。宅配各社は配達日時を事前に通知するなど、利用者が1度で受け取りやすい体制整備を進めている。

ヤマト宅急便、1日遅く 6月から一部地域で―24年問題

 インターネット通販の急拡大で宅配便の取り扱い個数は増え続けている。国土交通省によると、宅配便個数は21年度に約49億個と10年前の約1.5倍に拡大した。
 こうした中、現場の重荷となっているのが再配達業務だ。宅配大手3社の再配達率はコロナ禍による外出自粛で約8.5%まで低下。しかし、経済活動正常化で足元では11%台に上昇しており、国交省によると、年間約6万人のドライバーの労働力に相当する。
 政府は25年度に再配達率を7.5%程度に下げる目標を掲げる。4月のPR月間には受取日時の指定やまとめ買い、配送状況を通知する宅配各社のアプリ利用を消費者に呼び掛けた。国交省担当者は「多様な受け取り方があると知ってほしい」と訴える。宅配各社は受取日時や場所の変更に対応。ヤマト運輸は、顧客がこうした機能を利用すると「1度目での配達完了率が向上する」(担当者)と説明する。
 自宅以外で受け取れる場所も増えている。ヤマト運輸は合弁会社運営の宅配ロッカー「PUDO(プドー)ステーション」を展開。他社も利用でき、全国の駅や商業施設に約6700台設置した。日本郵便は、ローソンなどコンビニ約3万カ所で荷物を受け取れるようにした。不在時に玄関先などに荷物を置く「置き配」に対応した事業者も増えつつある。
 ただ、置き配には盗難リスクがあるほか、戸建て住宅ではマンションに比べ宅配ボックスの設置が遅れているなどの課題もある。物流問題に詳しい野村総合研究所の小林一幸氏は「非対面での受け取り方法を一段と多様化することが重要だ」と指摘。1度で受け取るとポイントを付与するなどの特典で、消費者の意識改革を促すのも有効ではないかと提案している。

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/7fpQHaP
ビジネス

Bagikan Berita Ini

0 Response to "「受け取りは1回で!」 再配達減へ対策急ぐ―迫る物流24年問題 - 時事通信ニュース"

コメントを投稿

Powered by Blogger.