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【イスタンブール=木寺もも子】トルコ統計局は4日、6月の消費者物価指数(CPI)上昇率が前年同月比78.6%だったと発表した。前月の73.5%からさらに加速し、1998年9月以来、約24年ぶりの水準となった。民間団体はさらに高い数値を主張しており、公式統計への疑義も募っている。
発表によると、交通費が123.3%増、食料品(酒類を除く)価格が93.9%増などだった。卸売物価指数(PPI)は138.3%増だった。
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世界的な資源・食料価格高騰に加え、トルコ特有の金融緩和路線が物価を押し上げた。エルドアン大統領は経済学の定石と逆に「金利が下がれば物価も下落する」という独自理論を掲げ、年14%の政策金利の引き上げを繰り返し否定している。インフレ率を考慮した実質金利はマイナス60%台に沈み、リラの対ドル価値は1年前の約半分になった。
実際のインフレは公式統計より深刻だとの指摘もある。イスタンブール商工会議所は6月CPIが94%増、学者らでつくるENAグループは175%増だったとの独自調査結果を公表した。現地報道によると統計局では幹部職員の辞職が相次いでおり、政府からの圧力に反発したものとの見方も出ている。
英ブルーベイ・アセット・マネジメントのティモシー・アッシュ氏はCPI発表後の顧客向けメールで「もはや誰もトルコのデータを信じていない」と述べた。
市民生活が厳しさを増す中、エルドアン氏は1日、最低賃金を7月から30%引き上げると発表した。通常は年に1度見直され、1月に50%引き上げられたばかりだった。
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