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新型コロナ:EU、英アストラゼネカ製ワクチンを承認 高齢者も接種可 - 日本経済新聞

EUでの新型コロナウイルスの承認は3例目となる=ロイター

EUでの新型コロナウイルスの承認は3例目となる=ロイター

【フランクフルト=深尾幸生】欧州連合(EU)の欧州委員会は29日、英製薬大手アストラゼネカと英オックスフォード大学が開発した新型コロナワクチンを条件付き承認した。EUでの新型コロナワクチンの承認は3例目で、近く接種を始める。

EUで医薬品を審査する欧州医薬品庁(EMA)は同日、欧州委の承認に先立って、承認を勧告する審査結果を公表。ドイツの当局が28日、アストラゼネカ製のワクチンについて65歳以上への使用を推奨しないとの考えを示していたが、EMAは高齢者に対しても効果が期待できるとした。

治験での有効性は59.5%と米製薬大手ファイザーなどのワクチンに劣るものの、通常の冷蔵庫で保管でき価格も安い。アストラゼネカのワクチンは18歳以上が対象で、1回目の接種から4~12週間後に2回目を接種する。ファイザー製は3週間後が推奨だ。EMAのブルーノ・セポーデス氏は「このワクチンはEUの接種キャンペーンに柔軟性を与えてくれる」と述べた。

アストラゼネカのワクチンは英国とインドがすでに接種を始めている。EUは最大4億回分の調達契約を結んでいる。だが、同社は承認直前になって合意した量を供給できないとEUに通告し、EUや加盟国が非難。EUは域外への輸出規制を導入する事態となっている。欧州委のフォンデアライエン委員長は「アストラゼネカが合意した4億回分を供給することを期待している」とコメントした。

EUは2020年12月、米ファイザーとドイツのビオンテックが共同開発したワクチンを承認し、接種を開始。今月には米モデルナのワクチンの接種も始めた。イスラエルや英米と比べて接種の遅れが問題になっており、接種拡大への期待が大きい。

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