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8月CPIが最大の注目、高い伸びなら金利上昇懸念=今週の米株式市場 - ロイター (Reuters Japan)

8月CPIが最大の注目、高い伸びなら金利上昇懸念=今週の米株式市場

 9月8日、米株式市場の注目は、13日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)に向かいつつある。2021年11月、ウォール街で撮影(2023年 ロイター/Brendan McDermid)

[ニューヨーク 8日 ロイター] - 米株式市場の注目は、13日に発表される8月の消費者物価指数(CPI)に向かいつつある。このCPIが、最近もたつき気味になっている株価の目先の動きを左右してもおかしくない。

米連邦準備理事会(FRB)が経済成長に深刻なダメージを与えずにインフレを抑え込む、いわゆるソフトランディング(軟着陸)への期待こそが、S&P総合500種(.SPX)を今年これまで16%押し上げてきた原動力で、足元では軟着陸軌道に乗ってきたことを示す材料も出てきている。

例えば8月雇用統計は、労働市場がなおしっかりしつつも、FRBによる追加利上げを心配するほどは強くないという内容だった。

13日のCPIにもこのような絶妙なバランスが求められるかもしれない。あまりに高い伸びとなれば、FRBが高金利をより長く維持するか、今後数カ月でさらなる利上げを迫られるとの懸念が浮上する恐れがある。そうなると、ハイテク株売り主導で夏場の高値水準からS&P総合500種がおよそ5%下押した株式市場に、投資家が資金をとどめておく根拠は薄れてしまう。

トールバッケン・キャピタル・アドバイザーズを率いるマイケル・パーブス氏は「インフレの魔物は退治されたというには程遠い」と指摘。CPIが上振れれば、これまでの株高をけん引してきた複数の超大型成長銘柄に重圧がかかると予想し、名目国内総生産(GDP)が高まる形の構造変化が起きているとすれば、ボラティリティーが増大し、意図しない事態がやってくるだろうと述べた。

足元では、FRBは19-20日での連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置くとの見方が大勢。市場が織り込む11月FOMCにおける利上げ確率は、1カ月前の28%から44%弱に切り上がった。

シュワブ・センター・フォー・ファイナンシャル・リサーチのトレーディング・デリバティブ担当マネジングディレクター、ランディ・フレデリック氏は、CPIが高い伸びであれば、市場の利上げ観測はすぐに高まると警告した。

<楽観論の陰に警戒感も>

米株についてはストラテジストや投資家の大半がなお、先行きへの信頼を維持している。ただ一部の市場参加者の間で、警戒感が強まっているのも間違いない。

楽観論の根拠は、米経済が欧州や中国に比べて堅調なことや、S&P総合500種企業が2期連続で減益となる「プロフィット・リセッション」が幕を閉じそうな兆しが出ていることだ。

それでも中国経済の減速や、米企業の利益率低下懸念を踏まえると、ここから米株で収益を稼ぎ出すのはより難しくなるとの声が聞かれる。

S&P総合500種の情報技術セクターは、中国政府が職員にアップル(AAPL.O)のiPhone(アイフォーン)使用を禁じる命令を出したと伝えられたことで、4日からの1週間で2%余り下落。特にアップルは6%の値下がりを記録した。

ネッド・デービス・リサーチのチーフ米国ストラテジスト、エド・クリソルド氏は「まだ強気相場の中で、年内には新高値を付けるとみられるが、その道のりは平たんではないだろう」とくぎを刺した。

クレディ・スイス・セキュリティーズのシニア株式ストラテジスト、ジョナサン・グラブ氏によると、S&P総合500種が7月の高値から約5%下がったことで、リセッション(景気後退)が差し迫っていない点を考えれば、米株のバリュエーションは総じてより妙味が出てきた。

S&P総合500種全体の株価収益率(PER)は依然として20倍近くと、昨年末の17倍を上回っているものの、11セクターのうち10セクターのPERは8月中に切り下がった、とグラブ氏は指摘する。

とはいえ、強気相場を維持する鍵は、やはりインフレが落ち着いて最終的にFRBの利下げを促せるかどうかに負う部分が大きい。

UBSグローバル・ウエルス・マネジメントの米株責任者デービッド・レフコウィッツ氏は「金利が一段と大きく上昇する展開になれば、株式市場は決して好感しない」と述べた。

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