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欧州諸国、露産ガス確保困難に 「早期警戒」宣言 - 産経ニュース

【ロンドン=板東和正】ロシアが天然ガスの輸出先に取引代金を自国通貨ルーブルで支払うよう迫っている問題で、欧州はガスの安定確保が困難になる事態に直面している。欧州側がルーブルでの支払いを拒否しているためで、露産天然ガスの供給が途絶えるシナリオも現実味を帯びてきた。ロシアを天然ガスの主要輸入先とするドイツでは緊急事態態勢を敷いて国民に省エネを呼びかけている。

プーチン露大統領は3月31日、米欧日など「非友好国」に指定した国や地域に対し、天然ガスの取引代金をルーブルで支払うよう命じる大統領令に署名。プーチン氏は「支払いがなければ買い手の不履行とみなし、あらゆる結果が起きる」と述べ、輸出停止の可能性を示唆した。

英メディアによると、輸入国側は露ガス大手ガスプロム傘下の銀行口座で外貨を交換しルーブルで支払うことが求められる。同行は欧州の対露制裁で国際決済ネットワーク「国際銀行間通信協会(SWIFT)」からの排除対象になっていない。露側にはルーブル相場の下落を防ぎ、制裁で制限されている外貨獲得の狙いもあるとみられる。

ルーブル支払いとなるのは気体の天然ガス。パイプラインで同ガスを輸入する欧州側は、既存の契約に違反するとして反発を強めている。ドイツのハーベック経済相は31日、露大統領令は「(ロシアによる)恐喝」と非難し、一方的な支払い方法の変更は容認できないと強調した。欧州連合(EU)もロシアの要求に応じない方針だ。

ただ、EUは天然ガスの3割超をロシアに頼り、ドイツの依存度は5割を上回る。発電などに使う露産天然ガスの供給が途絶えた場合、「ドイツ産業に災害をもたらす」(ドイツ化学工業協会のクルマン会長)と懸念されている。ドイツ政府は民間のガス供給状況を監視する「緊急ガス計画」を発動し、「早期警戒」を宣言。ハーベック氏は、わずかな節電でも「重要だ」と国民に省エネを促している。早期警戒は、緊急ガス計画の中で最も軽い段階だが、同政府は状況次第でレベルを引き上げる方針だ。

他の欧州諸国も対応を急いでおり、ロイター通信によると、フランスのルメール経済・財務相は供給停止に「備えている」と表明し、仏規制当局が市民に節電などの協力を呼び掛けた。オランダ政府では、市民とともに企業に対してもエネルギー消費の削減を促す方針だ。

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