Search

【米国市況】中東情勢懸念し世界株安、安全資産に買い-149円台後半 - ブルームバーグ

20日の米株式相場は続落。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦争が中東の他の地域に飛び火するとの懸念から、世界的な株安になる一方、債券や金が上昇した。

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 4224.16 -53.84 -1.26%
ダウ工業株30種平均 33127.28 -286.89 -0.86%
ナスダック総合指数 12983.81 -202.36 -1.53%

  S&P500種株価指数は週間では1カ月ぶりの大幅安。チャート分析で弱気なシグナルとされる200日移動平均線を割り込んだ。「恐怖指数」として知られるシカゴ・オプション取引所(CBOE)のボラティリティー指数(VIX)は3月以来の高水準となった。テスラなど大型株が下落。アメリカン・エキスプレスも大幅安。決済ネットワークでの支出額の伸びが予想を下回った。リージョンズ・ファイナンシャルも安い。純金利収入のさらなる減少を警告した。

アメックス、7-9月は小規模事業者の支出の伸び鈍化-株価下落

  シティー・インデックスのマーケットアナリスト、ファワド・ラザクザダ氏は「中東情勢を受けて原油および株式市場でボラティリティーが高まっている。投資家は戦略見直しのほか、リスク資産から安全資産へのシフトを強いられている」と述べた。

  ハマスは拘束している人質のうち、米国籍の母娘2人を解放した。中東諸国の首脳はエジプトのカイロで21日に会談する。イスラエル軍は20日朝にかけてガザ地区のハマスの拠点を攻撃し、レバノンからミサイルが発射されたことを受けて同国の親イラン民兵組織ヒズボラに打撃を与えたと発表した。イスラエルはレバノン国境付近の住民を避難させた。ヒズボラは、誘導ミサイルでイスラエルの複数の拠点を標的にしたと主張した。

ハマス、米国籍の母娘2人を解放-カタールの仲介で

【イスラエル】レバノンのヒズボラがミサイル、中東首脳ら21日に会談

  企業決算にも注目が集まった。ブルームバーグがまとめたデータによれば、20日朝までに決算を発表したS&P500種構成企業86社のうち、74%がアナリストの利益予想を上回った。前年は決算シーズン全体で78%が予想を上回っていた。

米国債

  米国債市場では10年債利回りが低下。5%近くにまで上昇する場面もあったが、すぐに低下基調に戻った。中東情勢の悪化を背景に、利回りが数年ぶりの高水準にある米国債への需要が強かった。

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 5.08% -2.7 -0.54%
米10年債利回り 4.92% -7.2 -1.44%
米2年債利回り 5.08% -8.1 -1.57%
    米東部時間 16時56分

  今週の利回り上昇は、17日に発表された小売売上高などが予想を上回り、追加利上げ観測が強まったことなどが要因だ。インフレ率はなお金融当局の目標を上回っている。19日には、パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長が少なくとも11月の連邦公開市場委員会(FOMC)会合で利上げを実施する可能性が低いことを示唆したため、短期債利回りが低下し始めた。

米小売売上高、9月は予想上回る伸び-消費者の底堅い需要を示唆

パウエル議長、FOMCは「慎重に進んでいる」-利上げの選択肢残す

  中東での紛争は米国債などの安全資産の需要を高め、原油価格を押し上げている。

  ミシュラー・ファイナンシャル・グループのマネジングディレクター、トニー・ファレン氏は、債券投資家は「当面、FOMCについて懸念する必要はない」と指摘。現在は地政学リスクに「注目がシフトしている」と述べた。さらに「米国債は売られ過ぎていた」と続けた。

為替

  ニューヨーク外国為替市場ではドル指数がほぼ変わらず。米国債利回りの上昇に勢いがなくなったことが背景。円は対ドルで欧州時間に1ドル=149円99銭まで下げた後、149円69銭まで一気に反発する場面があった。その後は149円80-90銭台で推移した。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1272.75 -0.88 -0.07%
ドル/円 ¥149.86 ¥0.06 0.04%
ユーロ/ドル $1.0595 $0.0013 0.12%
    米東部時間 16時56分

原油

  ニューヨーク原油先物相場は反落。中東情勢の展開を受けて紛争が拡大する可能性があるとの懸念が高まり、朝方は上昇していたが、イスラエルのガザ侵攻を遅らせようとする米国の取り組みが伝わると、下げに転じた。週間ベースでは2週連続高。

  米国と欧州の政府はイスラエルに対し、ガザへの地上侵攻を遅らせるよう圧力をかけている。この取り組みに詳しい複数の関係者が明らかにした。イスラエルは当初、地上侵攻の先延ばしに抵抗したものの、米国の圧力に押されて侵攻をとどまることに同意したという。バイデン米大統領はこの日、支援物資を積んだトラックが24-48時間以内にガザに入るだろうと述べた。

ガザ侵攻遅らせるよう米がイスラエルに圧力、人質解放優先-関係者 (1)

Oil Heads for Second Weekly Gain | US oil futures extend gains amid Israel-Hamas risk premium

  PVMオイル・アソシエーツのアナリスト、タマス・バルガ氏は相場を動かしている材料はイスラエルとガザで起きている悲劇的な出来事であり、「根底にあるファンダメンタルズは脇役を演じる」格好になっていると述べた。

  ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物11月限は、前日比62セント(0.7%)安の1バレル=88.75ドルで終了。11月限はこの日が最終取引。12月限は88.08ドルで終えた。北海ブレント12月限は22セント下げて92.16ドルで引けた。

  ニューヨーク金相場は続伸。スポット価格は一時オンス当たり2000ドルに近づいた。中東での紛争が激化しつつある兆しを背景に、逃避先資産とされる金の買いが優勢になった。

  イスラエル軍は20日朝にかけてガザ地区のハマスの拠点を攻撃し、レバノンからミサイルが発射されたことを受けて同国の親イラン民兵組織ヒズボラに打撃を与えたと発表した。一方、米国はイラクとシリアにある米軍事拠点への攻撃が増えていると明らかにした。

【イスラエル】レバノンのヒズボラがミサイル、中東首脳ら21日に会談

  戦闘がイランなどの諸国に飛び火し、米国すらも巻き込む可能性があると懸念されている。米国は軍事プレゼンスをこれまでに著しく強化している。

Spot Gold Climbs to Highest Since Mid-May | Risk-off sentiment boosts demand for havens

  コタク・セキュリティーズの商品調査責任者ラビンドラ・ラオ氏は「中東情勢の緊迫が続く中、金価格は強気なバイアスで推移すると見込でいる。和平協議は遠ざかりつつあり、エスカレートする可能性が高まってきている」とリポートに記した。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物12月限は、前日比13.90ドル(0.7%)高い1オンス=1994.40ドルで終了した。スポット価格は一時1.2%上げて1997.22ドルと、日中ベースでは5月半ば以来の高値を付けた。

原題: Stock Losses Deepen as S&P 500 Breaches Key Level: Markets Wrap(抜粋)

Treasury Yields Decline After 10-Year Fails Again to Reach 5%

Dollar on Cusp of Weekly Drop as US Yields Decline: Inside G-10

Oil Rises for Second Week Amid Israel-Hamas War Developments

Gold Nears $2,000 Ounce Mark as Middle East Tensions Increase

Adblock test (Why?)


からの記事と詳細
https://ift.tt/zekRHXC
ビジネス

Bagikan Berita Ini

0 Response to "【米国市況】中東情勢懸念し世界株安、安全資産に買い-149円台後半 - ブルームバーグ"

コメントを投稿

Powered by Blogger.