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【米国市況】利回り急伸し株は大幅安、利上げ予想修正-ドル135円付近 - ブルームバーグ

21日の米金融市場では国債利回りが急伸し、株式相場は大幅安となった。地政学的緊張が高まったほか、ウォルマートとホーム・デポの業績見通しも投資家心理に重しとなった。

ウォルマート株下落、通期利益見通しが予想下回る-2年連続で減益か

米ホーム・デポ株が大幅安、DIY需要鈍化で通期減益を見込む

株式 終値 前営業日比 変化率
S&P500種株価指数 3997.34 -81.75 -2.00%
ダウ工業株30種平均 33129.59 -697.10 -2.06%
ナスダック総合指数 11492.30 -294.97 -2.50%

  ウォール街では米金融当局のインフレとの闘いは終了から程遠いとの見方が強まり、債券投資家のセンチメンを暗くした。債券市場ではかつて、2023年に利下げがあるとの予想が広がった時期もあった。トレーダーらが米利上げ予想を強める中、米国債利回りは年初来の高水準を更新。そして最後に「何でも上昇相場」に加わった株式は、勢いを失いつつある兆候が見られている。

  S&P500種株価指数は昨年12月半ば以来の大幅な下げとなり、今年2月に入ってからの上げを失った。主要業種の指数は全て値下がりした。構成銘柄の90%超が下落。ダウ工業株30種平均も年初来の上げを消した。テクノロジー銘柄の下げが目立ち、ナスダック100指数の下げは2%を超えた。

  マイケル・ウィルソン氏らモルガン・スタンレーのストラテジストは、最近のデータはソフトランディングの余地を残す一方、米金融当局が政策転換する可能性が薄れていると指摘。株式リスクプレミアムは「デスゾーン」と呼ばれる水準に入り、リスクリワードが非常に悪くなっているとの見方を示した。株式リスクプレミアムの指標で見ると、株価は2007年より後では最も割高になっているとしている。

米国株は07年以来最も割高-モルガン・スタンレーのウィルソン氏

  ソーファイの投資戦略責任者、リズ・ヤング氏はブルームバーグテレビジョンで、「株式相場はやや買われ過ぎと感じられる水準にある」と指摘。「米金融当局はさらなる行動が必要で、金融政策の変化が経済全体に浸透するまでには長くさまざまな形での時間差が生じることを誰もが承知している。現在の環境で『予想株価収益率(PER)が18倍でも購入すべきだ』とは言いにくい」と述べた。

  ウォール街で株式相場の回復が行き過ぎと見る向きは他にもある。JPモルガン・チェースのミスラブ・マティカ氏は、底堅い経済成長ならびに米金融当局の方向転換を見込むのは時期尚早だと指摘。バンク・オブ・アメリカ(BofA)のストラテジスト、マイケル・ハートネット氏はS&P500種が3月8日までに3800に下落すると予想。モルガン・スタンレーのウィルソン氏はさらにずっと悲観的で、同指数は1-6月(上期)に3000にまで下げる可能性があるとの見方を維持している。これは17日終値を26%下回る水準。

  モルガン・スタンレー・ウェルス・マネジメントのリサ・シャレット最高投資責任者(CIO)は「政策金利が5%付近でより長期にとどまった場合、極めて低いリスクプレミアムを伴うバリュエーションは、市場のショックに強く影響されやすくなるだろう」と分析。「『より高く、より長期に」という米当局の方針は、ターミナルレートをリセットするのみならず、中立金利がより長く続くことにもなり、長期的なバリュエーションに逆風となることに投資家は留意する必要がある」と語った。

米国債

  米国債は下落し、利回りは全年限で年初来高水準を更新した。午前中にS&Pグローバルが発表した米国の製造業・サービス業合わせた2月の総合購買担当者指数(PMI)速報値が市場予想を上回り、これも国債の売りを加速させた。午後に入ると国債と社債の供給に伴う圧力以外は明確な材料がなかったものの、利回りはこの日の最高に達した。

米企業活動、2月PMIは小幅ながらも拡大圏-サービスが持ち直し

国債 直近値 前営業日比(bp) 変化率
米30年債利回り 3.97% 10.0 2.58%
米10年債利回り 3.95% 13.6 3.56%
米2年債利回り 4.72% 10.6 2.29%
    米東部時間 16時54分

外為

  ニューヨーク外国為替市場ではドルが上昇。株安と米国債利回り上昇が背景にある。米国の製造業・サービス業合わせた2月の総合PMI速報値は市場予想を上回った。ドルは主要10通貨中、ポンドを除く全てに対して上げた。米利回り上昇を受け、円は対ドルで2カ月ぶり安値を更新した。

為替 直近値 前営業日比 変化率
ブルームバーグ・ドル指数 1246.22 4.17 0.34%
ドル/円 ¥135.02 ¥0.77 0.57%
ユーロ/ドル $1.0645 -$0.41 -0.38%
    米東部時間 16時54分

  円は午後に1ドル=134円台後半で推移。午前中には一時0.7%安の1ドル=135円23銭と、2カ月ぶり安値を付けた

原油

  原油相場は下落。世界エネルギー需要の方向性を見極めようと米利上げと中国の見通しが意識され、終日荒い値動きだった。

  ニューヨーク原油先物と北海ブレントはいずれも下落。米景気減速の兆しが市場全般のセンチメントを支配する中、リスクの高い資産が敬遠された。1月の米中古住宅販売は市場の予想外に減少。これで前月比でのマイナスは12カ月連続となり、過去最長を更新した。

米中古住宅販売は予想外の減少、過去最長の12カ月連続マイナス (1)

  CIBCプライベート・ウェルスのシニア・エネルギー・トレーダー、レベッカ・バビン氏は「米経済のハードランディングシナリオと中国の経済再開という相反する力が作用し、ブレント相場は80-85ドルの水準を行ったり来たりする展開が続いている」と指摘。「同じ話が繰り返されているだけで、結局は元に戻ってしまう」と述べた。

Oil Stuck in a Limited Range | Crude prices been trading in a tight channel since December

北海ブレンド先物

出所:NYMEX

  ニューヨーク商品取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物3月限は、前営業日比18セント(0.2%)安の1バレル=76.16ドルで終了した。3月限はこの日が最終取引だった。ロンドンICEの北海ブレント4月限は1.02ドル安の83.05ドル。

  ニューヨーク金相場は下落。米企業活動の指数が景気の底堅さを示唆し、米金融当局に金利をより高い水準でより長期に維持する余地が生じた。

  米国の製造業・サービス業合わせた2月のPMI速報値は、前月から3.4ポイント上昇して50.2。活動の拡大と縮小の境目である50をわずかに上回り、8カ月ぶりの高水準となった。

  オアンダのシニアマーケットアナリスト、エド・モヤ氏は「堅調なPMIは金利がもっと高くなり得ることを示唆している」と指摘。「米経済はあまりにも強いようだ。これはインフレを持続させ、米金融当局にさらなる引き締めを強いるだろう。債券利回りの上昇軌道が明白な中、金は厳しい展開になる」と述べた。

  ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物4月限は、前営業日比7.70ドル(0.4%)安の1オンス=1842.50ドルで終了。スポット価格はニューヨーク時間2時30分現在、0.4%安の1833.52ドル。

原題: Dow Average’s 2023 Rally Evaporates in Rate Reset: Markets Wrap(抜粋)

Treasuries Slide as Wagers on Fed’s Path Become More Hawkish

Dollar Rises With Treasury Yields After PMI Data: Inside G-10

Oil Market Is Trapped in a Listless ‘Ping Pong’ Game for Prices

Gold Wavers After US Data Signals More Fed Rate Hikes Ahead

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